西国分寺駅周辺は、史跡とわき水の宝庫。駅の南、切り通しの古道を下れば、奈良時代の武蔵国分寺跡が広がり、せせらぎ沿いの「お鷹の道」を進む と、うっそうとしたハケ(がけ)の下に「真姿の池」と源泉が現れる。また駅の北、恋ケ窪は、鎌倉時代の宿場町。寺や池には、遊女にまつわる伝説や武蔵野の自然が残されている。
西国分寺駅周辺の住宅街の中には、カレー、フレンチ、ケーキ、そばなどの隠れた人気店が点在する。「みのりの歩み」を開業した前川幸太郎さんは「温かく迎えてくれた街の人たちの食卓を和ます、味わい深いパンを作りたい」と目を輝かせる。仁田譲さんが自宅ガレージに開いた喫茶店「ライトハウス」では、ご近所さんが街歩きに訪れた人と談笑する姿も。石器時代から人が集う街で、また新たな人の和が生まれている。